矯正治療のリスクを解決

矯正治療のリスクと対策

矯正治療は患者様の治療への理解と協力があってはじめて、よい結果を生むことができます。どんな治療にもリスクがあり、それは矯正治療も同じです。しかし十分な対策により、リスクを避けること、軽減することが可能です。

歯の痛みを生じる場合がある

矯正治療は外せない固定式装置や、決められた時間使用する取り外し可能な装置を口の中に装着して行います。装置で矯正力を加えることにより、2~4日間くらいは痛みを感じたり、装置が当たって口内炎を起こしたりする場合があります。

対策

  • 装置を装着した直後の食事は、やわらかい物やスープ中心にする
  • 痛みが強い場合は、市販の痛み止めを服用する
  • 熱いお湯を口に含んで歯根周囲を暖めて痛みを軽減する
  • 口内炎には、装置の表面をワックスや薬で覆って刺激を軽減する

装置周辺に食べカスが残りやすい

固定式装置を使用する際には、食べカスが装置周辺に残りやすく、歯みがきも難しいため、虫歯になる確率が高くなります。また、紅茶、コーヒー、タバコなどにより歯が着色しやすくなります。

対策

  • 食べたらすぐに歯みがきをする
  • 仕事や学校などで昼食時に歯を磨く時間が取れない場合は口をゆすいで、帰宅後なるべく早く歯磨きをする
  • 歯みがきの際、手鏡を利用して細かくチェックする
  • フッ素の洗口液を利用する

歯根吸収の可能性がある

矯正治療を行うと、顎の骨の中を歯根が移動していくため、まれに歯根の先端が溶けて短くなってしまうことがあります。歯根が多少短くなっても、歯肉や顎の骨が健康な状態であれば問題はありません。しかし、歯周病などで顎の骨が下がってしまうと、歯根が短い分、歯そのものがグラついてしまうことがあります。

対策

  • 矯正治療中にレントゲン撮影を行い、歯根吸収の確認を行う

歯肉が下がって隙間ができることがある

矯正治療により、歯肉が下がって歯の間に三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができることがあります。多少、食べ物が詰まりやすくなり審美的な問題も生じます。

対策

  • 歯肉の状態を確認しながら矯正治療を行う
  • 歯と歯の間をディスキング(0.5mmほど研磨する)することにより、隙間をなくす

顎関節症の症状が出ることがある

治療中・治療後に顎関節症の症状が出ることがあります。症状としては顎の開閉時に音がする、痛みがある、開閉がスムーズにできないなどです。

対策

  • 症状が出た場合は速やかに顎関節症の治療を行う

骨との癒着

打撲などにより歯と顎の骨が癒着(強固な結合)している場合には、矯正治療によりその歯を動かすことができない場合があります。

失活歯

失活歯とは神経(歯髄)がない歯のことで、矯正治療に影響がでます。
失活歯を優先して抜歯部位に選ぶ場合があります。

対策

  • 治療方針・治療計画を変更する

歯の間に隙間がある場合

本来の歯の数以上に余分な歯(過剰歯)があることがあります。そして、過剰歯が原因で歯の間に隙間を生じることがあります。

対策

  • 過剰歯を抜歯することで、矯正治療を行わなくても隙間が縮小することがある
  • 矯正治療に影響のない過剰歯は抜歯せずにそのまま残す

取り外し可能な装置の場合

使用時間が不足すると十分な効果が出ず、治療期間の延長および治療方針の変更が必要になってしまいます。

対策

  • 決められた装着時間をきちんと守る
  • 破損や紛失がないよう、外したときはケースに入れてしっかり保管する